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その日の夜、私は会社の同僚と俗に言う
「夜訪」という行為に勤しんだ。
その帰り、そのまま会社には戻らずに解散
という流れになったので
二人で夕飯を食べに行く事にした。
最近は、体重を大いに気にしてか
夕飯はほとんど摂取しない日々を
過ごしていた影響からか、やたら脂っこい物を
食べたくて仕方が無かった。
たまの外食だ、大いに満喫しよう。
そして、共通の知り合いでもあるカツカレー先生の話を
していた流れで、私は無性にカツカレーが食べたくなり
COCO壱に行く事になった。
だが、運命はかくも残酷な結果を私にもたらした。
意気揚々とグランドメニューの中から「チキンカツカレー!チーズ乗せ!!」
と注文したところ、
「申し訳ありません、本日は品切れとなってしまいました」
と断られてしまった。
時計を見れば、閉店時間まであと二時間、
在庫が無くなるのも致し方ない。
何より、店員さんに嫌な顔をしてもかわいそうである。
ここは笑顔で、メニューを変更するのが最善策であると
踏んだ私は、少し時間をもらい、はまぐりトマトほうれんそうカレーを頼んだ。
店員が去って、少し落胆した顔をのぞかせると、それをあざ笑うかの如く
同僚がぬらりひょんの様なふざけたニヤケ面をのぞかせていた。
かならず、備え付けのウスターソースをカレーソースにまんべんなく
かけてやろうと心に誓った。
そして、時間は過ぎて。
皿の上から、8~9割のカレーが無くなった辺りで
隣のテーブルにまたまた仕事帰りのサラリーマン風の二人組がやってきた。
しかも、片方は見るからに飽食をする為に汗水たらしてサラリーを稼いでる
様にしか見えなかった。
「カツにカツでもいっちゃおうかな?」と言い、
「やっぱ、チキンカツだね」とも言った。
即座に私は同僚の方を見た。
向こうも同じ事を考えたらしく、目を見ただけでお互いうなづいた。
脳裏に、「断られるって、教えてやりたいわぁ」と、
自分も断られて落胆したくせに、人の落胆する様を
楽しみにしている悪い自分がいた。
まさに人の不幸は蜜の味というやつでしょうか?
そして運命の瞬間
「チキンカツとメンチカツで、ご飯大盛りで」
即座に店員が返す。
「かしこまりました」
と。
ぅおおぉぉいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!!!!!
って、なった。
目の前の男は大爆笑。
思わず、店員呼び出しボタン押しかけた。
凹んだという話です。