エーヌの吐息

10月1日

夜に紀南で納車。
すっかり涼しくなったもんです。

お客様の仕事が終わるまですることも無く
ただ、静かに時間が経つのを待っていたのですが

いつのまにやら
鼻孔に未成熟な青いみかんの独特の香りが広がってきた。

この匂い、どうにも懐かしいと感じてしまうあたり
私も立派な和歌山人なのですな。

10月2日

月が闇を照らすとき、電話機が震えて啼く
禁断の決闘の時、N氏が呼んでいる、遠く。

「店長、FCJのN氏から電話です」

夕方から営業会議
会議の準備をしていた時分に架電。

キーボードを叩いていた指が凍りつく
そして、フル回転を始める私の記憶

怒られる覚えが無い・・・
怒られる覚えが無いから、余計に怒られるんだ・・・。

なので、とりあえず
走って逃げられる態勢をとりつつ
鼻をつまんで声色を変えた上で電話に出る

「ハイ、モチモチ、ワタシガテンチョーデス」

こんなお茶目な私にも、冷静に殺気を飛ばせるN氏
すぐにいつもの、「椅子の上で正座」になる私

用件は、めずらしく苦言とか苦情ではなく
メーカー主催のコンテストの件でした。

どうやら、イタリアに行けるらしい。

以前、結果を見たところ、我々は2位だったので
「あ～あ、こりゃ無いわ」と諦めていたのですが

「誰が1位だけなんて言いましたか」　と
電話で話しているのに、N氏の背後に雷が落ちてそうな
昭和なトーンで怒られた・・。

なぜだろう、海原雄山に怒られる
美食倶楽部の中川の気分だ・・・。

とりあえず
入賞よかったよかった。

では、また。