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- 06/09 [PR]
- 04/23 山猫は二度ベルを鳴らす勇者どもの華やかな淡き星影のわれら白夜の嵐に死すのすべて
- 04/12 ぴっぐぼーんぬーどる?
- 03/20 茶番
- 03/15 燃えつきたぜ、おっつぁん
- 03/14 俺は泳ぐネコ、彼は地面を泳ぐネコ。
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彼の腹部から血がおびただしく流れ出る。
押さえる手も真っ赤に染まり、生温い湯気が上がる。
「林君!!しっかりしろ!!!」
いつもの様に商談成立後、意気揚々と会社に戻る際に、
お客様が下取り予定車にて林君に猛アタック!
高い買い物をしたことによる、極度の興奮状態からの犯行だった・・・。
「て・・、店長・・・。」
もう助からないと薄々感づいていた私は、
湧き上がる感情を押し殺しながら言った。
「どうした、もうすぐ救急車が来る、しっかりしろ!」
まるで説得するかのように励ましたが、
林君は悟ったような顔で
「これで良いんだ・・、査定額が低かった報いだ・・・」
そう言いながら、ゆっくりと目を閉じ、
「タバコくれよ・・・」
と静かに懇願した。
僕はゆっくり首を振りながら、こう告げた。
「肺に良くないから、タバコは持ってないよ」
君はもうすぐ灰になるけどね。
と、うまい事を考えついた矢先、彼は動かなくなった。
「は・・・、林ぃぃぃ!!」
叫びだけが、むなしく響いた夜だった。
ってな事は、一切無かったですが、
長年がんばって頂いた林君が今日付けで退職します。
新天地でも、元気でしっかり売るように。
ありがとう、お疲れ様でした。
(言うまでも無いかと思いますが、前半の茶番は全てフィクションです)
何度か触れてきた妖怪人間ベム。
今週、何回目の再放送かは知りませんが、
「え、今週で終わり?」みたいな急展開での
最終回でした。
早い話、人間に殺されて終わりました。
人間になりたくて、人間の為にがんばって、
人間になる方法を見つけながらも、
人間を守る為にそれらを捨て、正体を知られた
人間に忌み嫌われて、人間に襲われるという。
テーマとしては根底にあるのは解ってましたが、
何とも言い難いものがありますね。
テーマも終わり方も、時代が時代なだけに
ヌーヴェルヴァーグ作家の影響を受けて
いたのかもしれませんねぇ。
俗っぽい言い方すると、すっきりはっきりしない。
解釈色々って感じ。
面白い、面白くないは別として
印象的な作品でした。